「状況はチベット同様に深刻」亡命ウイグル人組織が会見
読売新聞 2008年3月22日
中国からの亡命ウイグル人で組織する「世界ウイグル会議」のドルクン・エイサ事務局長(40)は20日、ドイツ・ミュンヘンの本部で取材に応じ、中国チベット自治区ラサで起きた暴動について触れ、「我々の状況は(中国政府による漢族との同化政策など)チベット族と同じく深刻だ。国際社会に訴えたい」と述べた。
事務局長によると、ラサ暴動後、新疆ウイグル自治区では目立った混乱はないが、同自治区南部のアクスなど3都市で夜10時以降の外出が制限され、警備が強化されたとの情報があるという。事務局長は、1997年に同自治区で民衆のデモと官憲が衝突して死傷者が出た事件を挙げ、「人権状況が改善しない限り、事件は再び起こり得る」と述べた。
また、昨年5月から当局がウイグル族のパスポートの回収を始めたとして、「海外渡航が不可能になり、人権侵害だ」と批判。就労斡旋の名目で、中国政府が数年前から未婚女性を数十万人単位で沿岸部に移住させる計画を進め、学校でもウイグル語の使用を制限しているとし、「100年後、我々の文化が残っているだろうか」と非難した。そのうえで、事務局長は「我々は暴力に頼らず、東トルキスタン(新疆ウイグル自治区)の独立を目指す」と述べた。世界ウイグル会議は、2004年に発足した各国のウイグル人組織の連合体。事務局長は新疆生まれで、1994年にトルコに亡命した。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080322-OYT1T00077.htm?from=main2