国会でウイグルフォーラム 海外議員や学者ら200人が参加

国会でウイグルフォーラム 海外議員や学者ら200人が参加

中国政府によるウイグル民族への迫害政策について日本や海外の国会議員らが対応策を考える「国際ウイグルフォーラム」が30日、国会内で開かれ、約200人が出席した。新疆ウイグル自治区の人権状況を巡っては、国連が昨年8月の報告書で「深刻な人権侵害」と指摘するなど国際社会が問題視しているが、中国当局に改善する気配はない。各国議員の連携を強化し、問題解決につなげたい考えだ。

超党派の「中国による人権侵害を究明し行動する議員連盟」や、亡命ウイグル人組織「世界ウイグル会議」(本部・ドイツ)などが主催した。ウイグル問題に関わる国会議員や専門家が参加する国際会議として、過去最大規模という。

海外からは、ウイグル自治区で強制労働を防止するための法整備などに取り組む米国やカナダ、チェコ、トルコの国会議員約30人や研究者らが参加。日本も30人近い国会議員が出席した。

超党派議連会長の古屋圭司元国家公安委員長(自民党)は開会式で、ウイグル人の人権侵害について、「共通の価値観を持つ国々が連携して対応する必要がある。中国に常軌を逸した動きをさせないことが目標だ」と訴えた。

パネルディスカッションでは、米国の非営利団体の研究員らが、ウイグル人女性らに不妊手術が強制される実態や、中国当局がAI(人工知能)を活用した監視体制を強化している状況を報告し、改善策を議論した。

会場ではウイグル人収容所の内部が体感できる仮想現実(VR)技術なども紹介された。最終日の31日は人権状況の改善に向けた対策をまとめる方向だ。(奥原慎平)

https://www.sankei.com/article/20231030-YV6MBKYIHNKURNK4N734ED2IVA/