世界ウイグル会議は、ヌルメメット・ヤスン氏の情報公開を要求する

WUC 2013.01.04
https://www.uyghurcongress.org/en/?p=19800

世界ウイグル会議は中華人民共和国政府に対し、現在収監中のウイグル人の作家で詩人のヌルメメット・ヤスン氏の健康と安寧に関しての情報を即時に発表することを要求する。ヌルメメット氏の安寧に関する懸念は彼の死の噂が中国の法学者、滕彪氏のツイッターアカウント上で表面化した後から緊急の問題となった。

滕氏はヌルメメット・ヤスン氏が一年前に彼の10年の刑期服役中に沙雅(シャヤール)刑務所で死去したと主張した。この噂が表面化して後、ラジオ・フリーアジア英語放送と同局中国語普通話放送が、ヤスン氏の近親者はこれら噂の確実性に疑問を持っており、彼女がヤスン氏に昨年の7月に連絡を取っていたと語ったのである。 中国共産党官員は公式にヌルメメット・ヤスン氏の健康安寧の現在の状態を明らかにしていない。

世界ウイグル会議は国際社会に対し、中華人民共和国政府にヌルメメット・ヤスン氏の釈放へ圧力を行使することも要請する。ヤスン氏の釈放が中国の普遍的人権のための道徳的義務とコミットメントを満たすことになる。中国の刑事施設は腐敗と虐待の文化であることが文書で証明され続けている、民主政治に賛成の体制異論派や、ウイグル人のような民族的少数派は中国の刑事施設の中にいる間、最悪の待遇を受け、往々にして拷問や虐待そして獄死などの重大な人権侵害の結果に至る。

ワシントンDCからの声明で世界ウイグル会議総裁で著名な人権活動家であるラビア・カーディル氏はヌルメメット・ヤスン氏の事件についてこう話す。

「中国政府は即時にヌルメメット・ヤスン氏の健康に関する情報を発表しなければならない。ヌルメメット氏はいかなる犯罪も犯してはいないし、彼の健康とされるものの周囲の透明性の欠如は中国の監獄制度の中で蔓延する、ウイグルの人々に対する虐待の証拠である。私は自身が中国国家からの間違った訴追で服役している間にウイグル人への人権侵害をこの目で見、そして体験してきた。」

ヌルメメット・ヤスン氏は2004年に中国当局により短編小説「野鳩」を「カシュガル文学」に発表後逮捕された。中国共産党官員はこの小説が東トルキスタン(中国政府により新疆ウイグル自治区と示される)における中国の支配への隠された批判であると主張した。ヌルメメット・ヤスン氏は10年の懲役刑を宣告され沙雅(シャヤール)刑務所で服役中であるとの情報が最後となっている。ヌルメメット氏は広く知られたウイグル語の作家であり詩人である。氏は文学作品に多くの文化的貢献を果たしてきたが、そのなかに「野鳩」の発表に先がけて三巻の詩集が含まれている。氏の諸作品は東トルキスタン全土のウイグル語の学校の教科書で扱われ、英訳はラジオフリーアジアを通じて読むことができる。