中国当局「国家分裂活動に関与」 ウイグル族学者連行

朝日新聞 2014.01.25

中国・北京の中央民族大学に勤務していたウイグル族の経済学者、イリハム・トフティ氏(45)が連行された問題で、新疆ウイグル自治区ウルムチ市公安当局は25日、イリハム氏がサイトや授業などで新疆の独立を唱え、国家の分裂活動に関与していたと発表した。

イリハム氏は15日、容疑も告げられぬまま、北京の自宅から連行されていた。

同市公安局は公式ブログで、イリハム氏が自身のサイト「ウイグル・オンライン」を通じて分裂思想を広めたほか、(大学の)授業などでウイグル人による暴力抗争を呼びかけ、(中国政府がテロ組織として敵視する)東トルキスタン・イスラム運動の幹部と手を組み政府の転覆を企てた、などとした。

ただ、正式に逮捕されたのかどうかや具体的な容疑には言及していない。ウイグル族が政治的に抑圧されている状況を訴えてきたイリハム氏の連行には、欧米各国が厳しく批判。公安当局の発表は、イリハム氏と「テロ組織」などとの関係を強調することで、国際世論の反発を封じ込める狙いもありそうだ。(北京=林望)

http://www.asahi.com/articles/ASG1T7FXXG1TUHBI02C.html