G7は中国の民族迫害停止声明を ウイグル人ら訴え

G7は中国の民族迫害停止声明を ウイグル人ら訴え

5月に広島市で開かれる先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)を前に、中国新疆ウイグル、チベット、内モンゴルの各自治区や香港の出身者でつくる団体の代表者らが19日、国会内で記者会見し、G7首脳に対し中国政府による民族迫害を止めるための具体的な措置と声明の発出を求める要望書を発表した。「自由、民主主義、人権など共通理念を踏みにじる中国へ結束して対処するのもG7の使命だ」と強調した。

要望書はウイグル人やチベット人らに対する人権侵害や、漢民族への同化政策の停止を中国政府に促す声明を、広島サミットの場で出すよう要請した。また、日本政府に対しては、海外で人権侵害に関与した人物や団体に制裁を科す人権侵害制裁法の早期制定や、中国で人権侵害に悪用されかねない技術の輸出規制に関する法整備を訴えた。

記者会見で、日本ウイグル協会の于田(うだ)ケリム会長は「ウイグルでのジェノサイド(集団殺害)を阻止するため、具体的な政策を取る段階にある。日本政府はサミットで指導力を果たしてほしい」と求めた。

チベット亡命政権の代表機関、ダライ・ラマ法王日本代表部事務所のアリヤ代表は「人権侵害や宗教迫害に対し、われわれに自由と自決権を与えるよう促す声明をお願いしたい」と訴えた。内モンゴル出身者でつくる世界モンゴル人連盟のオランチメグ氏も「G7議長国として日本政府は中国に対し、ジェノサイド政策を中止するよう声明を求めたい」と指摘した。

香港出身の民主活動家の葉錦龍(よう・きんりゅう)氏は「アジアにおける民主主義、自由のとりでである日本が先導し、香港人の権利と自由を守ってほしい」と語った。

要望書は19日、超党派の「中国による人権侵害を究明し行動する議員連盟」に提出した。G7各国の在日大使館にも届けるという。

G7は中国の民族迫害停止声明を ウイグル人ら訴え(sankei.com)