米国務省人権報告書:「平和的なデモに対する中国当局の過剰な武力行使がウルムチでの大規模な衝突の原因となった」

RFA 2010.03.12 (一部抜粋) | 翻訳・掲載:2010.03.18

米国務省が11日に発表した世界194カ国の人権状況に関する報告書(2009年版)の中で、昨年7月に起きたウルムチ事件についても言及し、平和的な抗議デモを行ったウイグル人側に対する中国当局の過剰な武力行使が大規模な衝突の原因となったと指摘し、ウルム事件の責任は中国当局にあることを指摘した。

報告書では、ウルムチ事件の処理状況についても強く非難した。報告書では、中国当局がウルムチ事件の拘束者を処理する際に、裁判には中立性が確保されること、メデイアに対してオープンになること、拘束者が自由に弁護士を依頼し自分の意見を主張できることなどの最も基本的且つ常識的な法的手順を守っていなかったと指摘した。そして、7月5日のウルムチ事件以降に漢人住民らがウイグル人を襲う事件が多発し、多数のウイグル人が被害に遭ったが、これまでの裁判で死刑が言い渡されたのは一人の漢人を除いて全員がウイグル人となっていることにも触れた。

報告書では、「ウルムチ事件の容疑者」ショヒラット・トルスン氏が拘束中に拷問死したこと、家族の死因に対する説明要求が拒否され死体が強制的に埋葬させられたことがウルムチ事件後のウイグル情勢の一例として挙げられた。また、ヌルイスラム・セルワズというウイグル人少年がウルムチ事件後に行方不明になり、家族が今でも子供の消息に関する一切の情報を入手できないままにいることを一つの具体例として取り上げ、このようなケースがほかにも沢山あると指摘した。

報告書の発表を行ったクリントン国務長官は、この報告書が世界で最も信頼性の高い調査報告であると強調した。

http://www.rfa.org/uyghur/xewerler/tepsili_xewer/uyghur-insan-heqliri-03122010221245.html