平等を求める内容の記事をネットに掲載したウイグル人ムハメッド・トゥルグン氏が拘束され、消息不明

RFA 2010.05.06 (一部抜粋) | 翻訳・掲載:2010.05.14

中国当局は、2009年7月5日に発生したウルムチ事件の後、ネット上で「6.26広東・韶関事件」や政府の民族政策に批判的な記事発表・書き込みを行ったウイグル人ネット利用者らを大量に拘束していた。当時拘束されたネット利用者らの大半が今でも消息不明のままであり、ウイグル人カメラマンのムハメッド・トゥルグン・アブドゥラ氏もそのような運命に遭った一人である。

ムハメッド・トゥルグン・アブドゥラ氏はカシュガル地区イェンギサル県のある写真屋で働くカメラマンだった。彼は、2009年7月5日に発生したウルムチ事件の一ヶ月後にイェンギサル県公安当局に拘束された。彼が「6.26広東・韶関事件」と「7.5ウルムチ事件」の間に、平等を訴える内容の記事をネット上で発表したことが拘束の理由だった。彼は、「6.26広東・韶関事件」発生後にネット上でウイグル語と漢語で「誰もが平等を欲しがっている」と題する記事発表し、当局の「6.26広東・韶関事件」に対する反応を批判し、「真相を隠すことは真実を否定することになる」と指摘していた。

RFAが入手した情報によると、拘束以来、家族は彼の消息やその後の運命について一切の情報を得ることができておらず、警察当局にいくら問い合わせしても説明はなかったという。

イェンギサル県公安当局はRFAの取材に対して、「そのようなことは聞いていない」としか答えてくれなかった。しかし、同県党委員会が共産党員や政府役職員らに配布した「社会安定維持前線」という内部資料には、ムハメッド・トゥルグン・アブドゥラ氏の件について「民族分裂主義の内容の記事を発表したため逮捕された」と書かれている。

世界ウイグル会議によると、ムハメッド・トゥルグン・アブドゥラ氏が拘束された直後に、7月6日にカシュガルで行われたデモに参加したとして彼の友人3人が拘束されたが、その後彼らの消息も消えているという。

ウルムチ事件以降に、同県で一体どれだけのウイグル人がウルムチ事件やカシュガルでのデモ、又はネット上の書き込みなどを理由に拘束・逮捕されたのかは分かっていない。

http://www.rfa.org/uyghur/xewerler/tepsili_xewer/duq-memet-turghun-murajet-05062010200911.html