内部資料「カシュガル地区政府活動報告」が明かすウルムチ事件以降の圧政の実態

RFA 2010.05.11 – 12 (一部抜粋) | 翻訳・掲載:2010.05.17

中国当局は、2009年7月5日に発生したウルムチ事件以降一体どれだけのウイグル人を拘束・逮捕したのかについて、情報を隠蔽し続けている。本日、世界ウイグル会議が、新しく入手した内部資料「カシュガル地区政府活動報告」をRFAに提供した。これは、2009年10月にカシュガル地区内の政府幹部らの間で配布された内部資料であり、この内部資料には、ウルムチ事件及びその翌日(7月6日)にカシュガル市内で行われた抗議デモ以降、中国当局がカシュガル地区全域で実施した一連の圧政政策とその犠牲者となったウイグル人に関する比較的詳細な情報が含まれている。

「カシュガル地区政府活動報告」によると、中国当局が2009年7月から9月にかけてカシュガル地区全域(カシュガル市と11の県)でウルムチ事件及びその翌日にカシュガル市内で行われた抗議デモに関与した「容疑者」らに対する追跡拘束運動を徹底して実施し、2009年10月1日までにカシュガル地区マラルベシ県、イェンギサル県、ヤルカンド県の三つの県だけで1077人のウイグル人を拘束したという。「カシュガル地区政府活動報告」の今回入手できた部分には、上記の三つの県から拘束されたウイグル人の数が明記されたものの、それ以外の地域(カシュガル市と残り8の県)から拘束されたウイグル人に関する情報が含まれていなかった。

「カシュガル地区政府活動報告」によると、2009年7月から9月にかけてカシュガル地区全域で実施された追跡拘束運動では、7.5ウルムチ事件対策チーム・カシュガル支部と武装警察の徹底調査の結果、2009年10月1日までに、ウルムチ事件及びその翌日にカシュガル市内で行われた抗議デモに関与した「容疑者」らに関する3453件の情報を掴むことができて、関係者らに対する徹底した取り調べや拘束が行われたという。

「カシュガル地区政府活動報告」では、2009年7月6日にカシュガル市内で発生した抗議デモに対する鎮圧について、「7月6日にHeytgahモスク前の広場で発生した暴動で、武装警察隊が立場を鮮明にし、暴走たちを積極的に攻撃し、暴動を短期間で鎮圧することに成功した。敵との間での生死を懸けた戦い及び血の試練に際して、隊員たちが勇気ある行動をとり、社会の安定のために貢献した」と書かれている。

世界ウイグル会議スポークスマンのデリシャット・レシット氏は、「カシュガル地区政府活動報告」に書いてある上記の記述について、「一般市民による抗議デモに対する鎮圧を『敵との間での生死を懸けた戦い』と位置付けていること自体が、当時ウイグル人デモ隊に対して血の鎮圧が行われたことを生々しく物語っている」と指摘した。

また、「カシュガル地区政府活動報告」では、2009年7月から9月にかけて実施された運動では、取り締まり運動における態度が徹底して積極的ではなかったとして、一人のウイグル人政府幹部が厳重注意の行政処分を受けたこと、マラルベシ県で一人のウイグル人政府職員が宗教行事に参加したため厳しく処罰されたこと、イェンギサル県で3人のウイグル人女性教員が礼拝を行ったため行政処分を受けたことなどの個々の事例についても取り上げている。「カシュガル地区政府活動報告」では更に、7.5ウルムチ事件対策チーム・カシュガル支部と武装警察が協力し、カシュガル地区全域の各村や集落まで調査チームを派遣し、ウルムチ事件発生以前にインターネット上で「民族団結に不利な書き込み」を行ったネット利用者の特定を徹底して実施したとしている。

中国当局はウルムチ事件に関与したとして拘束・逮捕したウイグル人の正確な数について明らかにしてないが、世界ウイグル会議などのウイグル人組織はウルムチ事件の拘束・逮捕者が一万人を超えたと見ている。

http://www.rfa.org/uyghur/xewerler/tepsili_xewer/6-iyul-qeshqer-heqqide-05112010204910.html
http://www.rfa.org/uyghur/xewerler/tepsili_xewer/qeshqerde-basturush-05122010195019.html