7.5ウルムチ大虐殺事件後に失踪させられた人々(その21)

7.5ウルムチ大虐殺事件後に失踪させられた人々(その21)

RFA 2012.09.06 | 翻訳・掲載:2012.09.10

RFAの最近の取材では、2009年7月5日に起きたウルムチ事件後に強制失踪させられたもう一人のウイグル人の身元が判明した。アブドゥケリム・アブラ氏(写真)である。 家族らがRFAに明らかにした情報によると、アブドゥケリム氏は1987年にカシュガルのベシケレム村で生まれた。ウルムチ事件当時は22歳だった。ウルムチ事件から一ヶ月以上経った2009年8月13日朝10時頃に、ウルムチ市ドンコウルック(Dongkowruk、漢語表記:「二道橋」)で経営していた貴金属店から黒い制服を着た四人組の警察隊に連行され、未だに生死を含む一切の消息が分かっていないという。

当時、現場にいた貴金属店の警備員らが彼を連行した警察らに理由を尋ねたが、「調べたいことがある」と回答しただけで、身分や連絡先などは一切名乗らず連行して行ったという。

彼の父親がカシュガルからウルムチに何度も行って当局に息子の消息を求めたが、一切の消息を入手できなかった。当局に絶望した父親が、ウルムチ事件関連で拘束されその後釈放となったウイグル人らを捜し回り、写真を手にしながら息子の消息を尋ねた結果、ウルムチの「西山監獄」で彼を見たことがあると証言する者がいた。しかし、父親が「西山監獄」に駆け付けると、監獄所側に相手にされず、一切の情報を入手できなかった。

ここ数年、警察に消された息子を探すために、一家がカシュガルで経営していた店やあらゆる財産を手放しにしたが、結局は息子の消息を手にすることができなかった。息子を探すために経済面で破たんし、精神面でも限界に達した一家が、最後の手段としてこの情報をメデイアに公開することを決心したという。

「西山監獄」はウルムチ事件関連で逮捕・拘束されたウイグル人が最も多く投獄された監獄の一つとして知られている。ウルムチ事件直後の無差別拘束・逮捕運動で逮捕されその後監獄で拷問死した高校生ヌルル・イスラム・シャルバズ氏もこの「西山監獄」に数ヶ月間投獄されていた。

http://www.rfa.org/uyghur/xewerler/tepsili_xewer/ghayib-uyghur-09062012161227.html