7.5ウルムチ大虐殺事件後に失踪させられた人々(その22)

RFA 2012.09.25 | 翻訳・掲載:2012.09.27

RFAの最新の取材では、ウルムチ事件後に警察によって強制失踪させられたもう一人のウイグル人の身元が判明した。それは、イミン・モミン氏である。イミン氏は、アクス地区ウチトルパン県出身で、当時ウルムチで工事現場の作業員として働いていた。ウルムチ事件当時(2009年)は28歳で、一人の息子がいる。

家族らがRFAに明らかにした情報によると、イミン氏は2009年7月5日、いつも通り仕事を終えて、働いていた工事現場から自宅に帰る途中、ウルムチの競馬場付近で突然現れた武装警察隊に止められ連行された。当時、イミン氏と彼の弟、そして、工事現場の仲間2人の四人が一緒に歩いていた。四人のうち、イミン氏の弟だけが警察隊の振る舞いをいち早く気づき逃げ出したため無事だったが、残りの三人は何の説明もなく警察隊に連行された。三人のうち、一人が数ヶ月後に釈放され、もう一人に懲役17年が言い渡された。しかし、イミン氏に関しては、警察隊に連行されたその日をもって生死を含む一切の消息が分かっていないと言う。

イミン氏の奥さんとお姉さんが関係政府機関らに彼の消息をさんざん求めたが、当局は「そのような人を拘束した記録が残っていない」として情報提供に応じて来なかったと言う。

イミン氏のお父さんは、28歳の若さで突然警察隊に消された息子の消息を入手することができず、精神的に重大なショックを受けて倒れ、昨年息子の悲しみを抱いたまま亡くなられた。

現在、イミン氏の奥さん、お姉さん、そして幼い息子がウルムチで暮らしている。この2人の女性は、掃除や工事現場の作業などで何とか生計をたてながら絶え間なく政府機関・警察署・刑務所などを走り回り、イミン氏の消息を探し求めている。

RFAのこれまでの取材では、ウルムチ事件後に警察によって強制失踪させられた27人のウイグル人の身元が判明しており、地元別ではウルムチが11人、カシュガルが9人、ホータンが5人、アクスが2人となっている。

http://www.rfa.org/uyghur/xewerler/tepsili_xewer/ghayib-uyghur-09252012155904.html