7.5ウルムチ大虐殺事件後に失踪させられた人々(その29)

RFA 2013.01.01 | 翻訳・掲載:2013.01.19

RFAの最近の取材では、2009年7月5日のウルムチ事件後に失踪してしまったもう一人のウイグル人の身元が新たに判明した。それは、アブラジャン・スライマン氏である。

アブラジャン氏は、ウイグルのキズルス自治州アクトゥ県バレン郷出身で、失踪当時19歳だった。彼は、ウルムチ事件の一ヶ月前に地元からウルムチに来たばかりで、ウルムチ事件の翌日に、ウルムチ市内の競馬場第六街から警察隊に連行されていた。

アブラジャン氏の父親であるスライマン・ダウット氏がRFAに明らかにした情報によると、2009年7月6日未明に、無差別拘束を行った警察隊によって、競馬場第六街からアブラジャン氏を含むウイグル人男性全員が一斉に連行された。

それから一ヶ月ほど経った後に、警察隊に連行された息子の消息を求めた家族に対して、当局は、アブラジャン氏が無実であり、ウルムチ付近の米泉刑務所で一時的な法律教育を受けていると通知し、釈放まで暫く時間がかかると説明した。

父親によると、上記の説明の後もなかなか釈放されない息子の消息を、その後何度も当局に求めた。それに対し、キズルス自治州警察当局が、アブラジャン氏がウルムチのカズワン刑務所にいると明らかにしたが、後になってアブラジャン氏の消息についての一切の説明を拒否するようになった。一方で、息子の消息を求め続けた家族らに対し、ウルムチ市警察当局は確かにアブラジャン氏を拘束したと認めたものの、アブラジャン氏のその後の運命についてまともな説明を拒否し、事件から3年以上経った今でもひたすら「上層部からの許可が下りるまで待ってください」との回答を繰り返しているという。

http://www.rfa.org/uyghur/xewerler/tepsili_xewer/ghayib-uyghur-01012013155441.html