「お前を30分で生き埋めに」 公安当局の拷問実態を証言 中国の人権活動家

産経新聞 2012.01.19

【ワシントン=犬塚陽介】中国の人権活動家で反体制派作家として知られる余傑氏(38)が18日、ワシントン市内で記者会見し、中国公安当局に拘束され、拷問を受けていた実態を証言した。訪米後、余氏が公の場に姿を現したのは初めて。

余氏はノーベル平和賞を受賞した劉暁波氏らとともに中国共産党の一党独裁廃止を求め、2008年に発表された「08憲章」に署名していた。

余氏によると、劉氏のノーベル平和賞授賞式の前日となる10年12月9日、複数の公安当局者が自宅に押し入って連行され、秘密施設に拘束されて拷問を受けたという。

当局者の一人は「お前を殴り殺して(劉氏のノーベル平和賞の)復讐をする」と余氏を全裸にし、たばこの火を押しつけたり、殴る蹴るの暴行。全裸姿の写真をインターネットでばらまくなどとも語ったという。

また、当局者は「上からの命令があれば、地球上の誰も気づかぬうちに、お前を生き埋めにする穴を30分で掘れる」と脅迫した。

余氏は政権批判や外国人記者と接触しないとの誓約書を提出し、4日後に釈放されたという。

余氏は家族とともに訪米しており、今後の活動拠点を米国に置くもよう。2カ月以内に劉氏の伝記を出版し、半年以内に胡錦濤政権下での中国の一党独裁や汚職の実態を告発する著作を出版する方針という。

http://sankei.jp.msn.com/world/news/120119/chn12011914240005-n1.htm