「アムネスティレポート 世界の人権2008」刊行

5月に発表されたアムネスティの年次報告書 Amnesty International Report 2008 の完全日本語版が刊行!
http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=1867

アムネスティレポートからの抜粋:新疆ウイグル自治区

当局は、米国主導の「テロとの戦い」を利用して、もともと新彊ウイグル自治区(XUAR)に住むウイグル民族の弾圧を正当化し続け、深刻な人権侵害を招いている。暴力を伴わずにウイグル文化への所属を表現することは犯罪となった。中国ではウイグル人だけが「分離独立活動」などの政治的犯罪で死刑判決を受け、刑を執行されている。

中国は、ウイグル人を中国に強制送還するよう上海協力機構を利用してキルギスタン、ウズベキスタン、カザフスタンなどの周辺諸国に圧力をかけ、それが成功している。

外国で拘束されたウイグル人が中国に強制送還されることが増えている。中には外国籍を所有している人もおり、彼らは中国で死刑判決を下され、刑が執行される恐れもある。

2003年、パキスタンから強制送還されたイスマイル・セメドは、「母国の分裂を試み」、武器と爆発物を所持していたとして死刑に処せられた。

ウイグル人活動家ラビア・カディールの息子、アプリキム・アブディリイムは非公開で裁かれ、「分離独立活動を扇動し、関わった」容疑で9年の拘禁刑判決を下された。公的な情報筋によると、こうした活動の大部分は、Yahoo!の「ウイグル語ウェブマスター」に記事をアップするよう依頼したことだという。しかし、Yahoo!も、Yahoo!の中国語サービスを提供するアリパパ社もウイグル語のウェブサービスは行なっていないという。アプリキムは、拘禁中拷問を受けたか虐待されたと言われており、12月に家族と面会したときも家族を認識できなかったという。当局は、彼に治療を受けさせていない。

当局は労働力不足に対応するためと称して新環地区に漢民族を大麦に移住させる方針を追求している一方で、一説には20万人以上とも言われるほどの膨大な数の若いウイグル人女性や少女が中国東部の工場で働くために、ほとんどは現地当局に強制されて送り出され、過酷な労働条件と低賃金で働かされている。