ウイグル語

昔東チュルク語として知られていたウイグル語は、主に東トルキスタンでウイグル民族によって話されてきたチュルク語の言語である。

ウイグル語は、東トルキスタンで2000万人前後の人によって話されている。また、カザフスタン、キルギスタン、ウズベキスタンなどでは、約100万人によって話されている。そして、アフガニスタン、アルバニア、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、モンゴル、ノルウェー、オランダ、パキスタン、サウジアラビア、スウェーデン、スイス、タジキスタン、トルコ、イギリス、アメリカ、エジプト、日本など世界各国にもウイグル語で話すコミュニティがある。

ウイグル語は、チュルク語族のウイグル或いは南東語群に属する。ほかのテュルク諸語のように、ウイグル語にも母音調和とこう着の特徴がある。ウイグル語は、ウズベク語、イリチュルク語、アイヌ語を含む言語と非常に近い関係を持っている。

歴史

古代ウイグル語又は古代チュルク語は、7世紀から13世紀にかけてモンゴルや東トルキスタン領域で使われていたチュルク語の祖先型であり、特にオルホン碑文とトルファンテキストなどで使われている。それは、現代ウイグル語やウズベク言語を含む語族であるチュルク語の東南語群又はウイグル・チャガタイ語の直接の祖先である。一方で、ユグル語は、地理的に近いということもあって、シベリアで使われているチュルク語の北東語群と非常に近い関係を持っている。

11世紀には、カシュガル出身のウイグル人言語学者マフムット・カシュガルが最初のチュルク語辞書と多くのチュルク語言語における方言の地理的分布の解説書(チュルク語大辞典)を発行した。

古代ウイグル語では、オルホン・ウイグル文字(古代ソグド文字から変遷して作られた文字)が使われていた。13世紀から20世紀当初まで、ウイグル語では、アラビア文字から変遷して作られたチャガタイ文字(中央アジア各地で20世紀前半まで広く使用された文語)が使われた。20世紀には、ウイグル人が住む異なる地域において、ラテン文字とスラブ文字が同時に採用された。その後、東トルキスタンではラテン文字が広く普及されなかった。結局、1985年に、アラビア文字をベースに作られたウイグル文字が現代ウイグル人の正式文字となった。