グアンタナモ基地のウイグル人問題、米下院公聴会で証言

RFA 2008年5月7日 (一部抜粋)

グアンタナモ基地に拘束されているウイグル人などの問題をめぐる米下院公聴会が5月6日に開かれた。公聴会では、グアンタナモ基地のウイグル人バフテヤル氏の弁護士であるElizabeth P. Gilson弁護士も証言をした。

「ウイグル人の意志が文学・芸能を通じて表現されても分裂主義行為として非難されている」

Gilson弁護士は、「中国政府がこれまでもウイグル人を弾圧してきたし、今でも弾圧を続けている。中国政府は計画的に漢人の移住を進めており、そのことが現地の政治情勢を緊迫させている。中国政府は、弾圧が原因でウイグル人の間で生まれてきている民族主義運動をテロとして非難している。ひいては、ウイグル人の意志が文学・芸能を通じて表現されても、分裂主義を宣伝したとして非難している...」と語った。

「ウイグル人拘束者はアルカイダと無関係」

Gilson弁護士は、バフテヤル氏を含むグアンタナモ基地のウイグル人が関与すると見られている東トルキスタンイスラム運動がテロ組織ではないこと、当時ブッシュ政権がイラク戦争をめぐって国連で中国の支持を得るために東トルキスタンイスラム運動をテロ組織リストに入れたこと、実際にはこの組織が関与するテロ活動又はアルカイダとの関係を証明する証拠らしい証拠は存在しないことを指摘した。

Gilson弁護士は、グアンタナモ基地のウイグル人たちがアルカイダと無関係であることについて具体例を挙げながら説明した。Gilson弁護士によると、バフテヤル氏を含むグアンタナモ基地のウイグル人全員がアルカイダ及びタリバンとの関係を否定しており、バフテヤル氏が取調べ中に次のように述べたという:「私たちがアルカイダという言葉を耳にしたのはグアンタナモ基地に来てからのことです。私たちの今の認識では、アルカイダと言うのはアラブ人がつくった組織のことで、そのアラブ人たちが自分の国で自由に暮らしている。しかし、私たちは植民地状態で暮らしてきた。」

Gilson弁護士によると、グアンタナモ基地のウイグル人たちは、自分たちがアルカイダと関係を持つはずがないことを次のように表現したという:「アルカイダの目標が何なのかは私たちには全く分からない。私たちが知っているのは、今全世界がアルカイダに反対していることなのだ。私たちウイグル人にとってアルカイダと関係を持つということは、世界からの同情・応援を失ってしまうことになる。言い換えれば、これは自分たちの目標を失ってしまうことになる。」

グアンタナモ基地のウイグル人の受入・移住にあたってアメリカが積極的になるべき」

Gilson弁護士は最後に、グアンタナモ基地のウイグル人の中国への引渡しにあたってブッシュ政権が中国の要求に応じなかったことを評価する一方で、グアンタナモ基地に拘束されていたウイグル人の大半が(無罪判決を下しながら)未だに監獄にいることを非難した。そして、グアンタナモ基地のウイグル人の受入・移住にあたってアメリカが積極的になるべきだと指摘した。

http://www.rfa.org/uyghur/xewerler/tepsili_xewer/guantanomo-turme-uyghur-05072008190556.html