サウジアラビアで大活躍したウイグル人書道家

RFA 2008年5月20日 (一部抜粋)

カアバはイスラーム教における最高の聖地とみなされている聖殿であり、世界中のムスリムが礼拝や祈りを唱える際にカアバの方角(キブラ)に向かって行うのが決まりである。そのカアバの金製の玄関に金(金メッキ)で書かれた書道の中には『アブドゥレヒム・エミン』という名前が今でも目立っている。実は、それがサウジアラビアで大活躍したウイグル人書道家の名前である。

2008年5月17日に、サウジアラビアの国営テレビでカアバのユプク(カアバをすっぽり覆う黒い布)の歴史についての番組が放送され、サウジアラビア初のカアバのユプクの制作において大活躍した、そしてカアバの玄関に金(金メッキ)で書かれた書道を書いた著名なウイグル人書道家アブドゥレヒム・エミン氏が紹介された。

番組の中でアブドゥレヒム・エミン氏を紹介したアブドルヘック・カデル・トルキスタニ氏は次のように語った:「昔は、カアバのユプクに書道や彫刻模様などはなかった。そのことを最初にやり始めたのはチュルク人たちであり、オスマン帝国の時代にカアバのユプクにコーランの文(聖なる言葉)を書道で書くようになったのである。後の時代になってそれが発展して、カアバのユプクに金メッキの糸で聖なる言葉が刺繍されるような時代が始まり、現在に至るまでそれが続いてきた。カアバのユプクは毎年一度交換される。サウジアラビアでは、初めてカアバのユプクの制作やその上に書道を書くことの直接指導にあたったのは著名なウイグル人書道家アブドゥレヒム・エミン氏だった。故アブドゥレヒム・エミン氏は東トルキスタン出身で、子供の頃祖国を離れ、マッカ市で書道を学んだ人物である。1962年にサウジアラビアのマッカ市にカアバのユプクの制作工場が初めて建設されてから故アブドゥレヒム・エミン氏はこの施設の第一責任者として活躍していた...」

アブドルヘック・カデル・トルキスタニ氏は番組の中で、「アブドゥレヒム・エミン氏は、カアバの現在の玄関に書かれている書道を書いた書道家本人である...」と語った。 

著名な書道家アブドゥレヒム・エミン氏は1993年にサウジアラビアのマッカ市で亡くなられた。

http://www.rfa.org/uyghur/xewerler/tepsili_xewer/mushhur-xettat-05212008093247.html