テロの主張に在外ウイグル人団体が反論

NHK 2013.12.17

中国の新疆ウイグル自治区で、警察と住民が衝突して、合わせて16人が死亡したとされる事件で、中国メディアは住民がテロを計画していたと伝える一方で、在外ウイグル人の団体は、治安当局による強引な家宅捜索をきっかけに衝突が起き、住民側が無差別に射殺されたと反論しています。

新疆ウイグル自治区の政府系のニュースサイトは、カシュガル地区で、15日夜、警察が犯罪の容疑者を拘束しようとしたところ、刃物や爆発物を持った住民たちの襲撃を受け、警察官2人が死亡し、警察側が住民14人を射殺したと伝えました。

この事件で、中国共産党系の新聞「環球時報」は住民たちがことし8月以降、過激な宗教思想を宣伝し、テロを計画していたと伝え、中国外務省も16日の記者会見で住民たちは「テロ集団」だと強調しています。

一方で、中国国外に住むウイグルの人たちで作る「世界ウイグル会議」は、現地からの情報として、治安当局による強引な家宅捜索をきっかけに衝突が起き、10代の若者2人を含む多くの住民が無差別に射殺されたと反論しています。

現地の事情に詳しいウイグル人によりますと、ことし10月に北京の天安門広場の近くで車が歩道に突っ込んで炎上し、多数の死傷者が出た事件のあと、習近平指導部はテロの撲滅を名目にウイグルの人々への締めつけを強めていて、力による抑え込みがさらなる反発を招いているということです。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131217/k10013902833000.html