ドレスの裾が長すぎる! 中国で警察が少数民族の女性の服を切って回る

ドレスの裾が長すぎる! 中国で警察が少数民族の女性の服を切って回る

Businessinsider, 20.07.2018

  • 中国の新疆ウイグル自治区で、ウイグル族の女性が公衆の面前で警察にドレスの裾を切られたという。
  • 宗教的な過激思想を厳しく取り締まるため、中国政府はウイグル族に対する規制を徹底している。
  • 100万人には届かずとも、数十万人のウイグル族が現在、「再教育施設」に収容されていて、彼らの伝統的なムスリムの思想を捨て、中国共産党の思想を受け入れるよう教え込まれている。
  • 数万台の顔認証カメラによる監視も広まっていて、住民の監視には生体認証データも利用されている。

中国の新疆ウイグル自治区で、ウイグル族の女性が丈の長いトップスやドレスの裾を警察に切られたという。新疆ウイグル自治区では、警察がウイグル族を厳しく監視している。

宗教的な過激思想を取り締まるため、当局はイスラム教を信仰するウイグル族のいかなる宗教的表現をもその取り締まり対象としている。

女性はロングスカートやブルカを身に付けることを禁じられ、住民はラマダン(注:イスラム教徒の5つの義務の1つ。約1カ月間、日中の飲食を断ち、神の恵みに感謝する)の断食を禁止されている。一方で、数十万人のウイグル族 —— 100万人と言われることもある —— が、ひげを伸ばしているとか、海外の家族と電話をしたとか、場合によっては何の理由もなく、裁判抜きで「再教育施設」に送られている。

そして今、ソーシャルメディアに投稿された写真は、警察が女性たちを呼び止め、彼女たちのロングスカートやドレスの裾を街中で切る様子を捉えたようだ。一部の女性はこうした服装を宗教的な理由というより、着心地の良さで選んでいるだけにもかかわらず、だ。写真に写っている女性の1人はヘルメットをかぶったままで、どうやらスクーターに乗っている途中で警察に止められたようだ。

https://twitter.com/doamuslims/status/1017691347615145985/photo/1?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1017691347615145985&ref_url=https%3A%2F%2Fwww.businessinsider.jp%2Fpost-171509

強制的な同化:東トルキスタン(注:新疆ウイグル自治区のこと)で、中国当局はウイグル族のムスリム女性のドレスの裾が長すぎると言って切っている。#EastTurkestan#Uyghurs#Islam#China

写真の中でハサミを使っている全員が地元警察ではなさそうだが、彼らは皆、丈の長いドレスを腰あたりで切ろうとしているようだ。

Business Insiderでは、こうした写真が本物かどうか、独自に検証することはできなかったが、世界ウイグル会議の広報担当ディルクサット・ラクシット(Dilxat Raxit)氏はラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材に、これは「ウイグル族の女性に対する攻撃だ」と語っている。

「世界のどこに、腰よりも長い女性のドレスを切って回る政府があるでしょう。まったくもってばかげている」ラクシット氏は言う。

「国際社会はこんな方法でウイグル族の女性を侮辱する中国を許してはならない」

新疆ウイグル自治区では、ウイグル族は男女にかかわらず厳しい監視下に置かれている。

当局は、住民の携帯電話に監視アプリをインストールし、12歳~65歳の住民全員のDNAサンプルや指紋、虹彩スキャン、血液型の情報を集め始めた。また、当局は音声サンプルも収集していて、盗聴した電話の相手を特定するのに使用される可能性がある。

さらに、この地域ではウイグル族の活動を追跡、阻止するため、4万台の顔認証カメラも導入されていて、AFP通信は最近、新疆ウイグル自治区のある県では、967のモスクに監視カメラが設置され、イマームが政府の台本に沿った指導を行っているかどうか、当局がチェックしていると報じた。

[原文:Police are reportedly cutting too-long dresses off ethnic minority women in the middle of streets in China]

(翻訳、編集:山口佳美)