世界ウイグル会議は、パキスタンから中国へのウイグル人の新たな送還を強く非難する

Press release – For immediate release
11 August 2011
Contact:  World Uyghur Congress www.uyghurcongress.org
Tel. 0049 (0) 89 5432 1999 or e-mail [email protected]

世界ウイグル会議(WUC)は可能な限り強い言葉で、先般の五人のウイグル人のパキスタンからの送還を非難する、その中には1人の女性と2人の子供がいたがその人たちは中国で厳しい処罰に直面するだろう。過去、中国に送還されたウイグル人は送還後、拘束、収監され、処罰の宣告を受け、拷問され、処刑されるかまたは消息を絶ってしまっている。

五人の人々は目隠しと手錠を施され2011年8月9日午後8時から9時の間(現地時間)にベナジル・ブット国際空港から東トルキスタン、ウルムチ行きの中国南方航空のフライトに乗り込まされた。地域の情報筋によると、他にAbduxur Ablmit (Abdushukur Ablimit)というウイグル人が同国人らと伴なう予定だったが、出発前に飛行機から下ろされた、理由は不明である。追放された人々はVIP向けのスペシャルゲートを通って飛行機へ連れられた。報道によると、女性はManzokra Mamad (Mensire Memet)といい、未成年の少女と1人の少年を伴なっていた。

この五人の人々の送還はカシュガルでの暴力事件から二週間にも満たないうちに行なわれた。中国の国家に管理された報道機関によると、2011年7月30日と31日に別の二件の事件で少なくとも14人が殺害され42人が負傷したという。それに加えて、2011年7月18日に中国の公安部隊は残虐かつ致死的にホータン市街で平和的にデモ活動をしていたウイグル人を弾圧し、少なくとも20人を殺害した。中国政府はホータンとカシュガルの事件に東トルキスタンにおける全面的な公安弾圧、そして同様に「違法宗教活動」への制限を命令することによって反応した。

これら事件の根本にはウイグル人住民に対する差別的政策、それらには大規模な逮捕拘束と処刑、そしてカシュガルのようなウイグルの歴史的な地の破壊などが含まれるが、そのようなことを認識せずに、中国はカシュガルでの複数襲撃事件が東トルキスタンイスラム運動(ETIM)の一員で、近隣国パキスタンで訓練を受けたというウイグル人によるものと非難した。しかし、教員や学者、そして亡命ウイグル人グループは、中国がテロリスト組織としてみなしている、ETIMの存在について重大な疑念を呈している。中国公安部隊はMemtieli TiliwaldiとTursun Hesenの2人のウイグル人をカシュガルでの暴力の背後にいたとして射殺した。2人を生け捕りにする機会があったにもかかわらず、中国当局は即時に彼らの殺害を選択した、このことは東トルキスタンのウイグル人住民にいかなる異論の形式も寛容に扱われないという明確なメッセージを送っただけでなく、ETIM自体やこの襲撃の背後にあるより多くの情報を得ることを妨げるものでもある。

カシュガルでの事件の後、長く中国の親密な同盟者であるパキスタンは、対ETIMで中国への支援を展開すると即時に言明した。五人のウイグル人の追放の理由が確認出来ていなかったが、世界ウイグル会議はパキスタン当局が中国政府による両国間のプラスの関係を強調するための求めに応じて行動したものと確信している。

彼ら個人を中国に送還することによって、パキスタンは締結国がいずれの者をも、「その者に対する拷問が行われるおそれがあると信ずるに足りる実質的な根拠がある」他の国へ追放し、送還し又は引き渡すことを禁じている国連拷問禁止条約(CAT)を侵害したのである。

「中国は拘束中の虐待や拷問で悪名高く、それは人々がいかなる罪で訴追されているかにかかわらずである。パキスタンは彼らウイグル人を中国へ追放するべきではなかった。」

ウイグル人権運動指導者のラビア・カーディルさんは語る。

「それに加えて、中国はパキスタンから強制送還されたウイグル人の公開処刑、拷問、収監の公式記録を持っている。」

この送還の他にも、パキスタンは在住のウイグル人の基本的な人権を犯している。例をあげれば、共同でパキスタン系のウイグル人に自身の言語を教える慈善団体を北部都市ラワルピンディで設立したAkbarとOmer Osmanの兄弟に2011年6月、ワシントンDCで開かれた国際的なウイグル人の会議に出席する為に国外を旅行することを禁じた。兄弟は在イスラマバード中国大使館が彼らを旅行させないようにパキスタン政府職員に要請したのだとはっきりと言われた。

一ヵ月半前2011年5月30日、カザフ当局は国際法規準の重大な侵害をしてウイグル人難民エルシデン・イスライルを中国に引き渡した。イスライルは今日まで消えたままである。2009年12月カンボジアは20人のウイグル人を中国に送還し、彼らの消息はいまだ不明である。

https://www.uyghurcongress.org/en/?p=10086

※転載される場合は、転載元を明示するようにお願いします。