世界ウイグル会議は、欧州議会のカシュガルの保護に関する緊急決議を賞賛する

Press Release – For immediate release
10 March 2011
Contact:  World Uyghur Congress www.uyghurcongress.org
0049 (0) 89 5432 1999 or [email protected]

世界ウイグル会議(WUC)は、全世界のウイグル人社会を代表して欧州議会で本日採択されたカシュガルの保護に関する緊急決議を賞賛する。この決議で欧州議会はカシュガル旧市街(老城)は保存されなければ、そして破壊は停止されなければならないと公式に表明した。古都カシュガル市はシルクロードのまさに中心に位置し、ウイグルのアイデンティティの為のきわめて重要な文化遺産地域であるだけでなく、蓄積された知識、寛容、そして文化的多様性を独特に反映した世界的文明の一片である。この緊急決議は、カシュガルのような世界的遺産の地やウイグル文化を保護すべき中国当局の責任を確認する明白なそして無条件のシグナルである、さらに中国に現在進行中の東トルキスタンのウイグル人住民に対する人権侵害を停止させるシグナルでもある。

中国政府が「カシュガル市危険家屋改造(喀什市危旧房改造)」を発表し、つづいてカシュガル旧市街(老城)の破壊を進め始めてからほぼ二年が経とうとしている。その時以来、世界は古きカシュガルが段階を追って消滅していくのを目撃している、そして旧市街(老城)の85%破壊という目標がすぐに到達するであろうと確信している。開始以来多数の声がこの破壊計画を非難していたにもかかわらず、中国政府は聞く耳を持たなかった。それどころか、中国当局はカシュガル旧市街(老城)の取り壊しが住民を地震から守ることを目的としたものであり、ウイグル人の最大の利益になると強調してきた。何世紀にも渡って残り続けてきた伝統的なウイグルの住居の場所には、新しいアパート街区が建設されている。

同時に、残った旧市街(老城)の中心の部分は観光地とされ、ウイグル人の文化的、宗教的遺産は「ディズニーランド化」されている。老城のウイグル人住民は非自発的に移住させられ、加えて中国当局による現在進行中の経済的及び社会的疎外に苦しんでいる。この組織的な経済的差別はウイグル人の発展の権利を阻害するだけでなく、社会的緊張を増大させるものでもある。中国政府のウイグル人に対する経済的差別は2009年7月の悲劇の主要な根本的原因の一つであった。

ゆえに、カシュガルの破壊は、中国共産党の支配を強め、ウイグル人の声を消す目的で、より組織的かつ中央主導のウイグル文化を消滅させ、ウイグル人を漢族文化に同化させるために仕組まれたに違いないのである。政府が主導するカシュガル計画に対するウイグル人の意見の不在は悪評が高い。しかしながら驚くべきことではない。他の社会的、政治的な分野での場合のように、ウイグル人の表現、意見の自由の権利は再度カシュガルの事例で阻害されているのである。それにもかかわらず、文化遺産の保護にあたっているユネスコのような国際機関は、カシュガルの破壊を非難するどころか公的には沈黙している。欧州議会の緊急決議はすなわちまた国際社会へのカシュガルは保護される必要があるというサインである。

世界ウイグル会議のラビア・カーディル総裁はあたたかくこの決議の採択を歓迎し、「カシュガルの破壊の真の目的を覆い隠そうとする中国政府の試みにもかかわらず、欧州議会は北京の目的を見通し世界に伝えました。すなわち、カシュガルは保護し守られなくてならないのです!私たちはこの私たちの仕事と同胞の為に決定的であるこの支援に深く感謝します。」と語っている。

この決議は以下で見ることができる。
http://www.europarl.europa.eu/sides/getDoc.do?type=MOTION&reference=P7-RC-2011-0168&language=EN

この決議は欧州議会のフリーダ・ブレポエル議員の後援の下で、代表なき国家民族機構(UNPO)とベルギーウイグル人協会により召集され、ブラッセルで2011年1月27日に開かれたカシュガルに関する国際会議(http://www.unpo.org/article/12104)に続いて決議されたものである。この会議は一つの無比のシルクロード都市が、この都市の保護と保守が中国自身内部からでさえ要望されているにもかかわらず、中国当局により現在行なわれている破壊の詳細を伝えた。この会議の結果、党派を越えた驚くべき水準の支援が緊急決議の為に表明された。代表なき国家民族機構(UNPO)と世界ウイグル会議(WUC)は積極的にこの決議の支持のために欧州議会でロビー活動を行なった。

https://www.uyghurcongress.org/en/?p=7226