世界ウイグル会議月次活動報告【12月分】

以下は、2007年12月における世界ウイグル会議の主な活動をごく簡単にまとめたものである。

1.訪日を終えたばかりのラビア・カーディルさんが欧州を訪問

(1)ラビア・カーディルさんをはじめとする世界ウイグル会議代表団が、12月6日~8日に欧州議会のALDEグループ(Alliance of Liberals and Democrats for Europe)及びTRP(Transnational Radical Party)の会議(場所:ベルギー)に出席し、ウイグル問題を訴えた。TRPの幹部らが、2008年1月1日から欧州議会内にあるTRPの事務所にウイグル人のための席を設け、一人のウイグル人代表がウイグルの声を随時欧州議会に届けられるような環境を提供することを約束した。また、ラビラ・カーディルさんが欧州議会の複数の議員や政治家らと個別に面会し、ウイグル問題を訴えた。

(2)12月7日に、ラビア・カーディルさんが欧州外交委員会のトップクラスの幹部らと面会し、ウイグル問題を訴えた。そして、中国とのあらゆる形での交渉においてウイグルの人権問題を必ず取り上げるよう強く求めた。

(3)12月8日に、ラビア・カーディルさんがフランス・ドイツが運営する文化テレビチャンネルARTEの『世界100人の有名人女性』という番組の取材を受けた。

(4)ベルギーでの活動を終えた一行は、12月10日にスイスのジュネーブに到着。当日、ラビア・カーディルさんが国連の拷問ラビア・カーディルManfred Nowak氏と面会した。Manfred Nowak氏は、自ら東トルキスタンの監獄における拷問の実態を調査してきたこと、前回ラビア・カーディルさんが教えてくれた情報よりも深刻な現実を確認してきたこと、この件で国連人権委員会に提出するための報告書をまとめていることなどを明らかにした。

(5)12月11日に、ラビア・カーディルさんが国連人権委員会・宗教の自由担当部門のメンバーらと面会し、ウイグル人が受けている宗教弾圧について訴えた。

(6)12月13日に、ラビア・カーディルさんが国際労働機関のメンバーらと面会し、ウイグルの農民たちに義務付けられている長期的な無償の肉体労働、中国政府が組織的に行っているウイグル人女性を内陸に移動させて過酷な条件で働かせていることなどを訴えた。
(7)12月14日に、ラビア・カーディルさんが国連女性基金の責任者と面会し、東トルキスタンで行われている過酷な強制中絶がもたらしているウイグル人女性たちの悲惨な運命などを訴えた。

(8)12月14日に、ラビア・カーディルさんが国連・人々の定住に関する委員会の幹部らと面会し、中央アジア諸国、パキスタン、アフガニスタン、サウジアラビアなどの国々に逃れていったウイグル人政治亡命者らが中国に強制送還され、処刑や無期懲役などにされていること、特に上海協力機構の設立以来状況が更に悪化していることなどを訴えた。

2.ラビア・カーディルさんの投獄中の息子の救済活動
ラビア・カーディルさんの投獄中の息子アブリキム氏とアリム氏が12月6日に父親のアブドレイム・トフティ氏との面会できた。(投獄されて以来面会が許されたのは初めて。)今回の面会で、二人とも酷い拷問のせいで健康状態が悪いこと、ひいてはアブリキム氏が実の父親も認識できなかったことが判明した。
世界ウイグル会議がこの情報を入手してからAI、UNPO、GFBV、Human Rights Watch、HRWF、国連人権委員会、欧州議会、ドイツ議会、ドイツ外務省などに書簡を送り、助けを求めた。その結果、ドイツ国会議員のVolker Beck氏が、12月14日にドイツ国会で全国会議員に対してウイグルの人権問題について演説をし、ラビア・カーディルさんの投獄中の息子たちの釈放及び必要な医療措置をとるようドイツ政府が中国に直接求めるべきだと訴えた。そして、Volker Beck氏をはじめとする11人の国会議員の署名で、ウイグル人に関する決議案がドイツ国会に提出された。決議案全文はこちら:http://dip.bundestag.de/btd/16/074/1607411.pdf

3.世界人権デーにあわせて世界各地で抗議活動
世界ウイグル会議の呼びかけにより、12月10日に、ドイツ、スウェーデン、オランダ、トルコ、アメリカ、カナダの中国大使館前でデモが行われた。

4.世界ウイグル会議代表がUNPOの会議に出席
世界ウイグル会議秘書長のドルクン・エイサ氏が、2007年11月30日~12月1日にオランダのDenhaag市で開かれたUNPO(国連に議席をもたない民族や地域の代表で作る国際組織)の執行委員会会議に出席した。 ドルクン・エイサ氏は、2006年10月に台湾で開かれたUNPOの第8期総会で11人の執行委員の一人に任命されていた。

5.世界ウイグル会議本部での宣伝活動
12月2日に、世界ウイグル会議秘書長のドルクン・エイサ氏が世界ウイグル会議事務所でイタリア人の研究者Valentina DiNunno女史とドイツ人の研究者Jurgen Ubener氏の取材を受けた。この二人はウイグルをめぐる政治問題について共同研究を行っており、近い将来に書籍を出すという。

6.国際オリンピック委員会にウイグルの人権状況を報告
12月18日に、国際オリンピック委員会が欧州議会で中国の人権状況に関する会議を開いた。会議には欧州の12の人権組織、欧州議会議員ら、政治家や人権活動家らと共に世界ウイグル会議の代表も出席した。そして、世界ウイグル会議代表のメメット・イミン・エラ氏が東トルキスタンにおける人権侵害について報告をした。

7.トルコ・アンカラでシンポジューム
12月9日~10日に、トルコ・アンカラで『人権の民主への影響』という国際シンポジュームが開かれた。シンポジュームには世界17ヵ国から来た人権組織の代表や人権活動家が参加した。世界ウイグル会議の代表としてトルソン・イスタム氏(世界ウイグル会議キルギスタン全権代表)とエリキン・エキレム氏(世界ウイグル会議副秘書長)が出席し、それぞれ異なるテーマで報告を行った。

8.1985年の学生デモの記念にあたり、ラビア・カデーィルさんが声明を発表
1985年12月12日に東トルキスタンで起きた大学生たちによる民主化を求める大規模なデモの22周年目にあたり、世界ウイグル会議主席のラビア・カーディルさんが12月12日に声明を発表し、全世界のウイグルの若者を当時の学生たちの精神を引き継ぐよう呼び掛けた。

9.その他の活動
(1)世界ウイグル会議の呼び掛けにより、世界各国で犠牲祭を祝う集会が開かれた。
(2)世界ウイグル会議の呼びかけにより、世界各国で新年を祝う集会が開かれた。

世界ウイグル会議
2008年1月10日