米国務長官、中国の「ジェノサイド」を非難 信教の自由報告書を公表

米国務長官、中国の「ジェノサイド」を非難 信教の自由報告書を公表

米国務省は15日、世界各国の信教の自由の状況についてまとめた2022年の報告書を発表した。ブリンケン国務長官は発表に合わせた会見で、中国の新疆ウイグル自治区の状況について「複数のNGOがウイグル族に対する『ジェノサイド(集団殺害)』や人道に対する罪を記録している」と非難した。

報告書は、中国政府が国家や中国共産党の利益を脅かすとみなしている宗教の信者の自由を制限し、拷問や虐待などを行っていると報道されている、と指摘。国務省高官は記者団に対し、ウイグル族に対するジェノサイドや犯罪に言及し、「中国は世界で最悪の、人権と信教の自由の侵害国の一つだ」と述べた。中国がイスラム教徒だけでなく、チベット仏教徒やキリスト教徒らを弾圧しているとも指摘した。

バイデン政権はトランプ前政権に続き、中国がウイグル族に対してジェノサイドを行っていると認定しており、中国側は反発してきた。

また、今回公表された報告書はインドについて、イスラム教徒やキリスト教徒ら少数派への暴力が起きているとも指摘した。国務省高官は「今後もインド政府に、暴力を非難するよう促し続ける」と語った。米国は6月22日にインドのモディ首相を国賓としてホワイトハウスに招く予定で、インドの人権問題も協議される可能性がある。(ワシントン=清宮涼)

https://www.asahi.com/articles/ASR5J2T4XR5JUHBI001.html