米紙、中国のウイグル弾圧内部文書を報道 習主席「情け容赦は無用」

米紙、中国のウイグル弾圧内部文書を報道 習主席「情け容赦は無用」

Sankei,  19.11.2019

【ワシントン=黒瀬悦成】17日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、中国当局による新疆ウイグル自治区のイスラム教徒少数民族ウイグル族らに対する弾圧の実態が記載された中国政府の内部文書を入手したと伝えた。弾圧をめぐる中国政府の内部文書が大量に流出し外国メディアに報じられるのは異例。

同紙によると文書は24通で、全体で計403ページ。中国で一定の政治的立場にある関係者が匿名を条件に提供したとしている。

文書によれば、中国の習近平国家主席が2014年春に自治区での暴動発生を受けて現地を視察した際、非公開の場で当局者らに演説し、ウイグル族の取り締まりは「テロや分離主義との戦いだ」と位置づけ、「情け容赦は無用だ」と述べて弾圧を督励した。

また、中国政府がウイグル族らを強制収容し、テロ対策を目的に「職業訓練」を行っていると主張している施設では、実際には外部から隔絶された環境で徹底した思想教育が行われていることが文書から判明したとしている。

文書によれば、2017年以降、強制収容されたイスラム教徒少数民族は数十万人に上るという。

同紙によると、文書を提供した関係者は、ウイグル族の大量拘束や強制収容は「間違っている」との感慨から、習氏ら共産党指導部が責任を免れることのないよう公開することにしたと説明した。