妹の中国本土への強制連行に反発したウイグル人女性が政府職員をナイフで刺す

RFA 2008年5月15日 (一部抜粋)

ウイグル領土で実施されている就労名目で結婚適齢期のウイグル人女性を中国本土に強制連行する政策に対しては、黙っている親たちもいれば無言で怒りを感じている人たちもいる。そして、ペイズワット県テリム郷のヌルグリ・トルガンさんのように政府の担当職員をナイフで刺すことにまで踏み切って強く抗議している人たちもいる。

RFAが入手した情報によると、事件が起きたのは2007年8月。当日は、中国本土に強制連行される複数のウイグル人女性がペイズワット県を出発する直前に、妹の中国本土への強制連行に納得がいかなかったウイグル人女性ヌルグリ・トルガンさんが政府の担当職員をナイフで刺して抗議したという。

ペイズワット県テリム郷チャヤンチャクテ村の書記によると、ヌルグリさんの妹ヌルスマンさんはこの村に住む両親と同居しており(ヌルグリさん自身は別居)、地元政府はヌルスマンさんを2007年度の移送対象者に選び、天津市に送ることを固めた時からヌルグリさんがそれに反発していたという。

テリム郷役所の職員によると、ヌルグリさんは、自分の娘が中国本土に強制連行されることに悩まされている両親の様子を見て黙っていられなくて、県に出て行って『労働力の募集』を担当する女性職員をナイフで刺したという。

テリム郷役所の職員によると、刺された女性が重傷を負ったが、緊急治療を行った結果命が救われたという。チャヤンチャクテ村の書記によると、ヌルグリさんは刺された女性の全ての治療費を負担するほか、4年間の実刑を受けたという。

ウイグル領土で2006年から実施され始めた結婚適齢期のウイグル人女性を中国本土に強制連行するこの政策は、今ではウイグル領土の隅々まで拡大している。この政策が何時まで続くのかは、良心的圧力と政治的圧力に苦しまされながら前線でこの政策を実行している政府職員らにも分からないのである。

http://www.rfa.org/uyghur/xewerler/tepsili_xewer/qizlar-aqiwiti-qarshiliq-05152008193242.html

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