WUCは強制失踪させられたウイグル人の母親が自宅監禁させられたことを非難する

WUC 2012.09.07  翻訳・掲載:2012.09.26
https://www.uyghurcongress.org/en/?p=17519

世界ウイグル会議は、中国当局が国際法と国内法に違反し、パティグリ・グラムを自宅監禁したことを強く非難する。ウルムチで行われ注目を浴びている、第二回ユーラシア・エキスポの開催を背景に、彼女は告訴や令状なしに監禁され、強制失踪中の息子イマムメメット・アリの情報を得るため注目を集めることを禁止された。WUCは中国政府に、パティグリの自宅監禁を解き、2009年7月5日の事件以降イマムメメットや他のウイグル人の失踪について、全面的かつ包括的な、独立した調査を行うよう要求する。

ラジオ・フリー・アジアによると、パティグリは家を出ようとした際に、数人の中国人警官と、住宅街住民委員の李建明を含む地元の共産党職員から止められ、自分が自宅監禁されていることに気が付いた。彼女は「ネガティブな宣伝をする」ことを防ぐため、ユーラシア・エキスポが終わる2012年9月8日まで自宅から外出できないと通告され、また外出しようとした際には脅迫や肉体的虐待にさらされた。

犯罪歴のないパティグリが自宅監禁されているという事実は、中国が遵守すべき国際人権法に明らかに違反している。市民的及び政治的権利に関する国際規約(ICCPR)第9条により、全ての者は身体の自由についての権利を有し、恣意的に逮捕又は拘留されず、逮捕される者は逮捕の時にその理由を告げられるものとされ、裁判官など官憲の面前に速やかに連れて行かれるものとするが、この件では以上の全てが無視されている。これらは個人を逮捕、拘束する際にとられる、国際法の下で成文化された国際的に受け入れられている標準手続きである。中国はICCPRを批准してはいないが、条約に署名をしており、その目的に反する方策を差し控える義務がある。

加えて、2013年1月に施行予定の中国の現在の刑事訴訟法には、公安機関が拘束をする際に、令状を提示する必要があると明確に記載されている。彼女は令状なしに自宅監禁されているため、その監禁は法外であり、また彼女が受け取るべき一切の保護が与えられておらず、これは国際法と中国自身の法律に対する深刻な違反である。

パティグリが失踪した息子を探し始めてから、その捜索をやめるよう何度も脅迫を受けたが、彼女が最後に得た情報は、イマムメメットが拷問を受け立つこともできない状態でいるという、息子の同房者からの言葉である。情報収集をしたことにより、彼女は拘束され、不当に減給され、行動をおこさないようにと家の外に見張りを付けられている。

WUCは、2009年7月5日以降に強制失踪させられた、イマムメメットとその他22人に焦点をあてたレポートを発表した。パティグリは、多くのウイグル人の死者と何千人もの行方不明者を出した、中国当局による7月5日の平和的な抗議行動への弾圧の後に、2009年7月14日に失踪した息子のイマムメメットの所在、状態及び生死についての情報を求めている。ヒューマン・ライツ・ウォッチが報告するところによると、強制失踪させられた者の多くは20代の若いウイグル人で、12歳という若さで失踪した少年もいるとの証言もある。