【キャンペーン】ウイグル人として生きる権利を - 弾圧が続く新疆ウイグル自治区

アムネスティ・インターナショナル 2010.03.01

中国の新疆ウイグル自治区では、民族政策によってウイグル人がウイグル人として生きることが困難な状況が続いています。中国政府に対し、ウイグル人への人権侵害に対応し、差別的な政策を見直すよう要請してください。

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民族政策が破壊するウイグル人の生活

中国政府はこれまで、同自治区におけるウイグル人の生活状況は、政策のおかげで改善されていると主張してきました。しかし、 2009年7月に首府ウルムチで起こった騒乱で浮き彫りになったのは、ウイグル人が宗教を実践することも、ウイグル語を使用することも、そして独自の文化を守り維持することも、厳しく制限されているという事実でした。それに加え、自治区には毎年多くの漢民族が移り住んでいます。その結果、雇用面でのウイグル人への差別、あるいはウイグル人の固有の文化や習慣の破壊が進み、民族間の緊張を深めています。

弾圧を正当化し続ける中国政府

中国当局は「反テロ」を理由に、「分離主義者、テロリスト、宗教過激派」の「三勢力」の撲滅を積極的に国際社会にアピールしてきました。そして、政府を批判し権利を求めるウイグル人に、この「分離主義者、テロリスト、宗教過激派」のレッテルを貼ることで、中国当局は彼らへの厳しい弾圧を正当化しているのです。これまでに、平和的に自らの権利を行使しただけのウイグル人が、数千人も恣意的に拘禁されたり逮捕されてきました。新疆ウイグル自治区では、拘禁された人びとに弁護人もつけず十分な審理もしないまま、不公正な裁判や処刑が行われています。

「社会の調和」はウイグル人の人権回復から

1997年のグルジャ事件や2009年のウルムチでの騒動について、独立した捜査も実施しないばかりか、これらの事件の原因となった差別的な政策について、中国政府はなんら対処していません。中国政府は2020年までに「社会の調和」の実現を目標に掲げていますが、そのためには、ウイグル人への人権侵害に今すぐ対応し、差別的な政策を見直すことから始めなければなりません。

あなたも中国政府にウイグル人への人権侵害に対応し、差別的な政策の見直すようを要請してください。

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アムネスティの主張
言語や民族、出自に基づくものによって差別を受けることなく自由であることは、人権の核心部分です。この原則は国際人権法の基本として、中国もそのいくつかの締約国となっている国際人権諸条約に様ざまな形で記述されています。
新疆ウイグル自治区において、中国政府がこの一般的な原則とそれらを具体化した人権諸条約の条項を遵守していないことを、アムネスティは深く憂慮しています。

http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=2966