ハイジャック制圧で表彰 中国、民族団結の象徴に

産経新聞 2012.07.03

 中国新疆ウイグル自治区で6月末に発生したハイジャック未遂事件で、自治区政府は3日までに、ウイグル族の容疑者6人を取り押さえた乗客乗員10人を表彰、報奨金を渡した。10人には漢族とウイグル族が含まれているとみられ、当局は民族団結の象徴として盛んに宣伝している。

 3日付の地元紙、新疆都市報などは「勇士」として10人の写真を1面に大きく掲載。「自治区の団結を国内外に示した」と称賛した。

 英BBC放送が亡命ウイグル人組織を束ねる「世界ウイグル会議」関係者の話として伝えたところによると、ハイジャック未遂とされる出来事は、漢族とウイグル族の乗客の座席をめぐる口論がきっかけで、漢族の乗客が差別的な発言をしたことから殴り合いになったけんかだったとしており、当局の発表と大きく食い違っている。(共同)

http://sankei.jp.msn.com/world/news/120703/chn12070319040004-n1.htm