在米ウイグル人活動家が来日、北京五輪反対運動を表明

読売新聞 2007年11月9日 22時12分

人権活動家の在米ウイグル人ラビア・カーディルさん(60)が初来日し、9日、東京都内で記者会見した。

カーディルさんは、中国当局が「テロとの戦い」を名目に西部の新疆ウイグル自治区でウイグル族への弾圧、迫害を強めていると非難した上で、2008年8月の北京五輪開催に反対する運動を繰り広げる考えを表明した。

カーディルさんは会見で、ウイグル族と漢民族の同化政策が強化されていると批判。ウイグル族の16~25歳の未婚女性を沿海部都市に「安価な労働力」として強制移住させているほか、小学校から大学まで、ウイグル語を使わず中国語だけで授業を行っている現状を明らかにした。

今年5月からは、ウイグル族の海外渡航を制限。政治的迫害を受けて同自治区から逃亡したウイグル族は、「上海協力機構」などを通じて連携を強める中央アジアの近隣諸国によって中国に強制送還され、投獄されていると訴えた。

さらに、「北京五輪で人権侵害は強まる」と指摘し、各国の人権団体に呼びかけて開催反対運動を展開する考えを示した。

カーディルさんは同自治区アルタイ出身。共産党員だった時期もあるが、人権擁護活動を展開したため、1999年から2005年まで投獄された。同年3月に米国に亡命。現在は、米議会などで中国の人権侵害の実態を訴えている。

 http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20071109id25.htm