天安門事件の民主化運動リーダー逮捕 中国大使館に侵入

産経新聞 2010.06.04

4日午後2時半ごろ、東京都港区元麻布の中国大使館前の路上で、男が警備用の鉄パイプ製のさくを乗り越えて敷地内に数メートル侵入した。警視庁麻布署は建造物侵入の現行犯で男を逮捕。男は1989年の天安門事件で反革命宣伝活動をしたとして、中国公安当局に指名手配された民主化運動リーダーの1人、ウアルカイシ容疑者(42)で、同署で詳しい経緯を調べている。

同署によると、ウアルカイシ容疑者は「弁護士が来るまで何も話さない」と話しているという。

同署などの調べでは、ウアルカイシ容疑者は同日午後1時半過ぎから中国大使館前で、5人くらいで抗議活動を行っていた。デモ終了後に突然敷地内に侵入したという。この日は、天安門事件から丸21年だった。

ウアルカイシ容疑者はフランスや米国を経て現在は台湾に亡命していた。     

現在台湾に在住しているウアルカイシ氏は昨年6月、出頭しようとわたった中国特別行政区マカオで入境を拒否された。「公開裁判で中国の事件への責任を追及すること」が目的だったとされており、今回も同様の狙いがあったとみられている。 (川越一)

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100604/crm1006041823025-n1.htm