大使館侵入は強制送還目的、とウアルカイシ氏

読売新聞 2010.06.07

1989年の天安門事件の学生指導者で、中国当局が指名手配中のウアルカイシ氏(42)は7日、都内で本紙の取材に応じ、4日に在日中国大使館敷地内に入ろうとした理由について、「大使館に自首しようとした」と述べ、中国への強制送還を志願しての行動だったことを明らかにした。

ウアルカイシ氏は「投獄されても、市民の自由や政治的権利を求めて(中国当局と)法廷で話し合うためだった。獄中でもいいから、(新疆ウイグル自治区)ウルムチに住む両親にも会いたかった」と語った。

ウアルカイシ氏は建造物侵入容疑で警視庁に現行犯逮捕された後、6日に釈放された。昨年6月にも中国特別行政区マカオに空路で到着、帰国を試みたが、入境を拒否されている。中国当局が拘束を避ける理由について同氏は「中国政府は、正義の側にいる私との対話を恐れている」と述べ、拘束に伴い予想される国際社会の批判を避ける狙いだとの見方を示した。

ウアルカイシ氏は、天安門事件後に中国当局から指名手配され、海外に亡命、現在は台湾に住んでいる。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100607-OYT1T00645.htm