安倍前首相がラビア・カーディル総裁と面会、半年後にドルクン・エイサ事務総長とも会見

2007年11月7日~30日に、世界ウイグル会議総裁のラビア・カーディルさんが訪日し、講演や記者会見などを行いながら日本全国を回って、ウイグル問題を日本社会に大きくアピールした。この3週間、一般市民から国会議員まで大勢の日本の方々がウイグルの声(ラビア・カーディル総裁の訴え)に熱心に耳を傾けてくださった。

https://jp.uyghurcongress.org/?p=380

この昨年秋の訪日で、ラビア・カーディル総裁は安倍前首相と面会する機会も頂いた。11月28日(11:00~12:30)に、ラビア・カーディル総裁は安倍前首相と都内で面会し、ウイグル問題を詳しく報告すると共に、安倍前首相をはじめとする日本の政治家たち・日本政府に望む要望などを伝えた。安倍前首相は、冷静且つ熱心に話を聞いた上で厚い同情を示し、日本政府として真っ先に手を打つべき問題は10年以来投獄中のウイグル人東大院生トフティ・テュニヤズ氏の件であると指摘した。( 注:諸般の都合により、この件は本日までに未公開にされてきた。)

それから半年ほど経って、4月29日に世界ウイグル会議事務総長のドルクン・エイサ氏が来日した(5月5日まで滞在予定)。ドルクン・エイサ氏は、国会議員らで作る「真・保守政策研究会」(会長:中川昭一元経産大臣 )が4月30日に憲政記念館で開いたシンポジウム(タイトル:中国の人権状況を考えるシンポジウム)に証言者として出席し、大勢の議員及び報道関係者の前で、ウイグルの人権問題を訴えた。シンポジウムには、安倍晋三前首相、麻生太郎元外相、平沼赳夫元経産大臣をはじめ、多くの有力議員らが参加した。

シンポジウムではドルクン・エイサ氏のほか、ウイグル問題の日本社会へのアピールに非常に大きな貢献をしてこられている水谷尚子先生(『中国を追われたウイグル人 - 亡命者が語る政治弾圧』の著者)もスピーチし、中国当局が911以来、ウイグル人による政府への抗議行動をテロ呼ばわりして、不必要な恐怖感を煽る宣伝をしていること、その宣伝を真に受けた日本の記者が、検証なく中国のプロパガンダを翻訳して報道しているという姿勢に、深い憂慮を示した。また、アムネスティ・インターナショナル日本の事務局長である寺中誠氏もスピーチし、投獄中のウイグル人東大院生トフティ・テュニヤズ氏の件を取り上げ、10年以来、夫と電話一本繋ぐことさえできないまま子供2人を育てながら日本で待ち続けている、トフティ氏の妻ラビア・トフティさんを会場の人たちに紹介した。尚、ラビア・トフティさん自身も発言し、「どうか力を貸してください」と助けを求めた。

誠にありがたいことに、安倍前首相をはじめとする複数の議員らが投獄中のトフティ・テュニヤズ氏の件で救援議員連盟を立ち上げる決意を表明した。世界ウイグル会議としては、勇気ある決意を表明してくださった議員の皆様、そしてウイグルの民族運動を支援している日本の方々に心より感謝の言葉を申し上げると共に、トフティ・テュニヤズ氏の件の今後の展開を見守って行きたい。5月の日中首脳会談においても、ウイグルの人権問題が取り上げられることを強く期待したいものである。

世界ウイグル会議

2008年5月3日