高市早苗氏、世界ウイグル会議総裁と面会 閣僚で初、岸首相補佐官らも 中国人権侵害究明議連が発足、超党派の100人超が参加

高市早苗氏、世界ウイグル会議総裁と面会 閣僚で初、岸首相補佐官らも 中国人権侵害究明議連が発足、超党派の100人超が参加

中国の人権侵害をめぐって5日、日本で大きな動きがあった。高市早苗経済安全保障担当相は、亡命ウイグル人による民族団体「世界ウイグル会議」のドルクン・エイサ総裁と、日本の閣僚として初めて面会した。さらに、中国政府による新疆ウイグル、チベット、内モンゴルの3自治区における民族迫害の改善に取り組む超党派の「中国による人権侵害を究明し行動する議員連盟」が設立総会を開いた。

「関係閣僚と積極的に取り組みたい」「(諸外国との)パイプや関係を生かして、働きかけをしていきたい」

高市氏は5日午前、国会内での面会で、中国の人権問題について、こう語ったという。ドルクン氏が面会後に開いた記者会見で明らかにした。ドルクン氏はツイッターに高市氏との写真を投稿し、「お会いできて光栄です」と発信した。

面会の内容は多岐にわたったという。

ドルクン氏は、国連でウイグル問題がさらに討議されるよう、日本の後押しを要請した。ウイグル人の強制労働に間接的に関与する日本企業があることも指摘した。人権侵害に関わる企業活動を制限し、製品の輸入を規制する法律の制定も求めた。

4日に来日したドルクン氏は、岸信夫首相補佐官、立憲民主党の松原仁元拉致問題担当相らとも面会した。岸氏の兄、安倍晋三元首相はウイグル問題に深い関心を示していた。松原氏は日本版マグニツキー法(人権侵害制裁法)の制定を推進している。

面会を調整したジャーナリストの有本香氏は「現職閣僚や首相補佐官が、世界ウイグル会議の総裁と面会するのは初めてだ。日本が、中国の深刻な人権侵害に取り組む最初の一歩だ。これをきっかけに、政権が積極的に取り組むことを望みたい」と呼びかけた。

与野党議員も動いた。

5日午後、新疆ウイグル、チベット、内モンゴル各自治区などの人権問題に取り組む各議連を母体に、自民党と日本維新の会、立憲民主党などから100人以上が参加する超党派議連「中国による人権侵害を究明し行動する議員連盟」が発足した。

会長に自民党の古屋圭司元国家公安委員長、会長代理には高市氏が就任した。設立総会で、高市氏はG7(先進7カ国)で日本だけが、マグニツキー法を未制定だと指摘し、「法整備が進まない事態は大変残念だ。議連で力を合わせて取り組みたい」と述べた。