『双語教育』政策に反発したウイグル人青年らが拘束

RFA 2008年4月14日 (一部抜粋)

昨日、商売のためにウイグル領土から中央アジアに出たばかりの一人のウイグル人が、トルファン地区ピチャン県で22名の教員が拘束されたことをRFAに伝えた。RFAでは、この情報を基にピチャン県の関係部署らに電話取材を行った。

関係部署らでは最初はこの情報を否定したが、(RAFの記者が)この件は既に海外に知られてしまったことを伝えると、今度は4人が拘束されたことを認めた。関係部署らの話によると、ガリプ・ヘビブッラ氏(31歳、所属はピチャン県第一高校)など複数人が『双語教育』反対や国家分裂を唱える『反革命宣伝ビラ』を配ったため拘束されたという。(注:所謂『双語教育』とは、民族浄化・文化迫害を狙う恐ろしい教育政策の別名であり、事実上はウイグル語教育の廃止を進める代わりに一貫して強制されている漢語教育のことである。この政策は、国内外のウイグル人の間で強い危機感や反発を呼んでいる。)

RFAの取材では、ピチャン県警察当局がこの件を認めたものの、詳細についての言及を避けた。また、取材に応じたピチャン県教育当局の一人の責任者の話によると、ガリプ・ヘビブッラ氏などの青年らが一斉拘束に遭ったのは今年1月半ばで、彼らは今でも監獄にいるという。

RFAにこの情報を寄せてくれた商人によると、ガリプ・ヘビブッラ氏などの青年らが配った宣伝ビラでは、『双語教育』や就労の名目で行政が進めているウイグル人女性の内陸への強制連行などへの不満のほか、『オリンピックではなくて自由が欲しい』などが書かれていたという。一方、関係部署らでは『反革命宣伝ビラ』の具体的な内容に触れることを避けた。

ウイグル自治区党委員会書記の王楽泉が2月に香港の衛星テレビチャンネル(鳳凰衛視)のインタビューで、『双語教育』の実施によってウイグル人に子供の頃から中華民族意識を吸収させていることを主張する発言をしていた。

RFAにこの情報を寄せてくれた商人によると、上記のほかにも、先月トルファン市ヤル村でウイグル人青年らと警察の衝突が起きて、エリキン・カハル氏など16人のウイグル人青年が拘束されたという。RFAでは、この件について引き続き取材にあたることにしている。

http://www.rfa.org/uyghur/xewerler/tepsili_xewer/2008/04/14/pichanda-tutqun/

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