近づく北京オリンピック、ウイグル人への弾圧・取り締まり拡大

中国政府は北京オリンピックの安全を口実にウイグル人への弾圧・取り締まりを拡大させている。弾圧・取り締まりはウイグル自治区内にとどまらず、中国内陸や周辺国のウイグル人にまで及んでいる。

■中国・北京市

オリンピックの到来、北京滞在中のウイグル人たちは苦しい状況に

RFA 2008.03.27 (一部抜粋)
http://www.rfa.org/uyghur/xewerler/tepsili_xewer/2008/03/27/uyghurgha-kunyok-olimpik/

RFAが入手した情報によると、北京政府が北京に戸籍の無いウイグル人を北京市から追放し始めた。北京で飲食店などを経営するウイグル人の場合、店が強制的に閉鎖され、来年の春節以降に営業再開を許すとしているという。更に、北京で生まれ育った、北京に戸籍のある、ひいては人民政治協商会議の委員を経験したウイグ ル人まで警察に呼ばれているという。 RFAの取材に応じた北京在住のウイグル人女性(北京で生まれ育った、北京に戸籍のあるウイグル人女性)が証言した。

この女性によると、警察が彼女の自宅にやって来て身元確認などを行い、ウイグル自治区にいる親戚の連絡先などを詳しく書かせたという。そして、5月からオリンピックが 終わるまでの間に、ウイグル自治区から如何なる親戚も北京に来てはいけないと警告されたという。警察の行動を疑問に思った彼女は、近所の人(漢人)らに確認したら近所はそのようなことにあっていなかったという。そして更に疑問に思った彼女は、北京在住のほかのウイグル人らに電話して確認したところ、ほかのウイグル人も自分と同じようなことにあっていることが分かったという。また、北京在住の、人民政治協商会議の委員も経験したあるウイグル人知り合いも警察呼ばれて、親戚のことなどについて聞かれていることが分かったという。

北京に戸籍の無いウイグル人の状況は更に深刻であり、北京で飲食店などを経営しているウイグル人の店が強制的に閉鎖され、店で働くウイグル人たちは北京市から追放されているという。 RFAの取材に応じたウイグル人女性は「相当の資金を投資し、法的手続きをきちんと済ませて経営していた飲食店も閉鎖されている。しかも1~ 2ヶ月ではなく、8ヶ月ほどの閉鎖が強制されている。この間の家賃も払わなくてはいけないのだ。国がそれを補助してくれるどころか、様々なことを口実に罰金を取り続けている」と語った。

■中国・河南省

中国武装警察部隊、河南省でウイグル人商人ら50人を拘束

RFA 2008.04.07 (一部抜粋)
http://www.rfa.org/uyghur/xewerler/uyghur/2008/04/07/uyghurlar-tutqun-qilindi/
 
報道筋によると、最近中国の武装警察部隊が河南省shifosi村のある市場で緊急行動を行い、同市場で玉の商売をやっていたウイグル人商人複数人を拘束した。

ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によると、同市場では普段多数のウイグル人が玉の商売を行っており、当日は100人以上の武装警察部隊が市場でウイグル人商人らの一斉拘束にあたったという。(目撃者の話として伝えている。)

この報道によると、現地の政府関係者らが当日50人ほどのウイグル人を拘束したことを認めているという。

■パキスタン

(1)パキスタン警察当局、短期滞在中のウイグル人商人らを不当拘束

RFA 2008.04.14 (一部抜粋)
http://www.rfa.org/uyghur/xewerler/tepsili_xewer/2008/04/14/pakistanda-tutqun/

パキスタン・イスラマバードで聖火リレーが行われる4月16日を前に、パキスタン警察当局がイスラマバードやラワ-ルピンディなどの大都市で取り締まりを強化している。

2008年4月11日(現地時間の18時30分)に、パキスタン警察当局がラワ-ルピンディ市イキバル通りにあるチナルホテルにやって来て、このホテルで滞在中のウイグル人商人5人を拘束した。拘束された5人は、数年以来パキスタンとカシュガル、ホータン、ウルムチなどの間で商売をやっていた商人たちだった。

パキスタンから入手した情報によると、拘束された商人らのうち、ルズムヘッメッド・ハジ(40)はウルムチとホータンに店舗を持っており、数年前からパキスタンとウイグル領土の間で民族医薬品の商売をやっていたという。

(2)パキスタン在住のウイグル人350世帯が監視・監禁の下に

RFA 2008.04.15 (一部抜粋)
http://www.rfa.org/uyghur/xewerler/tepsili_xewer/2008/04/15/pakistan-olimpik-meshel/
 
パキスタン・イスラマバードで聖火リレーが行われる4月16日を前に、中国政府の圧力を受けたパキスタン警察当局により、イスラマバードやラワ-ルピンディ在住のウイグル人350世帯が監視・監禁の下に置かれた。

このうち、家族の一部又は親戚がトルコにいる者らは4月15日の朝に自宅や経営店舗などから拘束され、連行された。拘束の理由についてたずねた者らに対して、トルコにいる家族又は親戚が(トルコにいながら)パキスタンでの聖火リレーへの妨害運動を計画しているからだとの回答が帰ってきたという。

RFAでは、ラワ-ルピンディで拘束中のアブドル・エヘッド・ハジ(パキスタンで生まれ育った、パキスタン国籍のウイグル人)及び彼のトルコ在住の親戚に電話取材を行う機会を得た。アブドル・エヘッド・ハジによると、トルコに家族や親戚がいるアブドル・エヘッド・ハジ、オメル・オスマン、エリシデン・アガ及び彼の弟たち、オスマンハン・ハジ、バラットハン・アブドルエヘッドなど複数のウイグル人が拘束されているという。パキスタン警察当局が彼らを聖火がパキスタンを離れるまで拘束することを伝えたという。