中国当局からの弾圧から逃れるべくタイを目指したウイグル人がタイ当局に拘束される。強制送還の懸念

RFA 2014.03.23 | 翻訳・掲載:2014.03.24

先週、112人のウイグル人がタイ・カンボジア国境近くのサケーオで拘束され、バンコクにある移民留置所へ連行された。アメリカのヒューマン・ライツ・ウォッチからの情報だ。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、ウイグル人は強制送還されれば中国当局から懲罰を受ける可能性があり、強制送還しないようタイ当局に求めている。

また、3月13日にも、80人の子供を含む213人のウイグル人がタイ警察に拘束されている。彼らは、マレーシアとの国境に近いソンクラーのラタポーンのゴムのプランテーションの中に身を潜めていた。

「迅速な対応が必要」

バンコクの中国大使館はタイ当局からこれらのウイグル人と面会することを認められている。しかし、面会が実現すれば、ウイグル人が強制送還され投獄されるのではないかという懸念の声があがっている。

「過去に強制送還されたウイグル人は必ず迫害に直面しています。」
ヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア代表ブラッド・アダムスはこう述べた。

「タイ政府はウイグル人を保護し、危険にさらさないようにしなければなりません。」

「国際慣習法の下、タイ政府は送還後に迫害、拷問、人権侵害を受ける危険がある人々を強制送還すべきではありません。」

タイ移民局のパヌ・ケルドラポールは、バンコク・ポスト紙に対し、次のように語った。
「ソンクラーとサケーオで拘束された人々は同じグループに属していると思います。彼らは、人身売買でタイへ連れてこられた可能性があります。」

ウイグルからの脱出

人権団体によると、ウイグルから逃れてくるウイグル人は後を絶たないという。ウイグル人は故郷で人種差別、宗教弾圧、文化弾圧に直面しているからだ。

タイ政府は、国連難民高等弁務官事務所から、ウイグル人に難民認定を行うよう促されている。

「複雑な問題ではありません。ウイグル人の強制送還は彼らを危険にさらします。」
アダムスはこう語った。

「強制送還は国際法違反です。」

国連難民高等弁務官事務所のバンコク事務所のビビアン・タン報道官は、先週、ウイグル人と面会し、人道支援を検討すると語った。また、タイ当局と共同して、ウイグル人のタイ滞在を認めるべく動くとも語った。

ASEAN (東南アジア諸国連合)のジレンマ

タイのネイション・デイリー紙は、東南アジア諸国に対し、中国政府との関係を維持するためにウイグル人を強制送還しないよう求めた。

タイ、マレーシア、カンボジアはASEAN に加盟している。ASEAN 諸国は過去にウイグル人を強制送還したことがある。強制送還後、終身刑を受けた人もいる。

「ASEAN 諸国は、ウイグル人に厳しい対応を取ってきました。彼らを強制送還し、迫害へと追い込んでいます。」
ネイション・デイリー紙はこう報じた。

「中国政府はこの動きを歓迎するでしょう。しかし、国際的にASEAN の評価は下がるでしょう。」

ASEAN 諸国は、中国との政治的・経済的結びつきを維持するために、ウイグル人を強制送還してきたという。

「基本的人権の保護を無視してまで、外交を維持すべきではありません。」
ネイション・デイリー紙はこう警告した。

http://www.rfa.org/english/news/uyghurs-03232014173739.html

日本語訳: http://ameblo.jp/dream-for-children/entry-11803281439.html