77カ国、言論の自由なし アムネスティ年次報告 81カ国では拷問も

東京新聞 2008年5月28日 夕刊

【ロンドン=星浩】国際人権保護団体アムネスティ・インターナショナル(本部ロンドン)は二十八日、二〇〇八年版年次報告を発表。世界人権宣言の採択から六十周年を迎えるにもかかわらず、七十七カ国以上で言論の自由が認められていない状況を非難した。

〇七年の人権状況について同報告書は、なお八十一カ国以上で拷問などが行われ、四十五カ国以上で「良心の囚人」と呼ばれる政治犯がいることを指摘している。

具体的には、ミャンマーでは反政府デモなどに参加した市民ら約七百人が軍事政権に拘束されているとみられると懸念を表明。

また米国が〇二年以降、「対テロ戦争」を名目にグアンタナモ基地に約八百人を拘束し二百七十人を適切な司法手続きもないまま拘留していると指摘。米国はアフガニスタンのバグラム空軍基地でも、昨年末時点で六百人を不当抑留していると批判している。

中国については、ネット上で意見を公開しただけで五十人が収監されるなど言論の自由が十分に認められず、チベット、新疆ウイグル自治区では少数民族への厳しい弾圧が行われていると非難。脱北者五万人が中国国内で潜伏しているという。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2008052802000252.html